間違いE:大学院留学は1度社会に出てからすべき
新卒で大学院留学をする意義を考えてみる。
「まだ就職したくない。」
現役大学生が大学院留学を目指す場合、この理由が一番多いのではないでしょうか?
ただ「まだ就職をしたくない」といってもその理由も様々で、希望する就職ができなかったから、どんな分野に就織していいか分からないから、将来やりたいことが決まらないから、もう少し勉強を続けたいから、と様々かと思います。
1998年-1999年は非常な就職難で、就職氷河期と呼ばれていたほどです。そのため現実的に「就職ができないから大学暁留学」という理由も存在しました。しかし現在では年齢人口の多い団塊世代の一斉退職により、企業が人材確保に翻弄する時代です。そのため10年前と同様に就職難という時代ではありますが、企業を選ばなければ新卒の大学生が就職できない、ということは少ないと患います。企業を選ばなくても就職が出採ない時代ではなく、企業を選ばなければ就職できる時代、そんな現代だからこそまだ就職をしたくないという理由は存在するのではないかと足います。
では新卒生が大学院留学を目指すことでどういったリスク、そして意義があるのでしょうか?
新卒生が大学院留学を目指す「リスク」
では就職を先延ばしにして本当に大丈夫なのでしょうか?
さらに言えば新卒での就職活動を蹴ってまで大学院留学を目指す利点はあるのでしょうか?
答えは「NO」ではないかと思います。今もむ昔も様々な理由から新卒での就職活動は中途採用に比べるとアドバンテージがあるものです。例えば中途採用枠で就職活動をすると、人事採用係は間接時に、「この人材がうちに入ったらどの程度働くことができるだろうか?どの部署でどういった業務をこなしてもらおう?」とったある程度の“計算"をします。入社後の働きを計算できる人間、つまり即戦力になる人材を探しています。そのため中途採用の場合は、面接官に即戦力として働くことができるということを分かり易く証明しなければなりません。それは英語力やリサ}チメソッドといったスキルである場合もありますし、経営学や会計学といった専問知識である場合もあるでしょう。ただ、やはり同業他社での一定期間の業務経験が最大のアピールポイントとなることは疑う余地がありません。同業他社で結果を出しているとすると、同様の環境があれば同様の結果が出せる人材という計算を面接官が容易に立てることができます。以上のような中途採用枠で社会人経験のない新卒生が就職活動をすることは不利な点を伴うことは否めません。
一方新卒での就職活動ではいかがでしょうか?
おそらく人事採用係は、「この人材を教育して~の部署で活躍してもらおう、~部署に入れて営業を学ばせ将来は商品開発部で活躍してもらえるかもしれない…」といった入社後に教育をして、会社に貢献できる人材に育ってもらおう、というスタンスで人材を選びます。つまり郎戦力である必要がないわけです。
入社後に社会人としてのマナーや業務、才能を磨きスキルを伸ばしていけばいいのです。そのため新卒の就職活動でPRすべきは部戦力で使える知識やスキルではなく、将来のポテンシャル(潜在能力)なのです。このように新卒で就職活動を行う利点、は即戦力を求められていないので入社後も充実した教育を受けることができるということにあります。
一方途中採用で入社すると充実した教育は期待できず、短期間の教育期間を経て即戦力として現場に出なければなりません。このように却戦力としての能力を期待されることなく就職活動ができることが新卒で就職活動をする最大の利点と雷えるでしょう。新卒で大学院留学をするということはこのような有利な新卒での就職活動を諦めなければならない場合があるということを認識する必要があります。
新卒生が大学院留学者実現させる「意義」
以上のように新卒での就職活動は大企業等に就職する際は非常に有効な方法であることは確かです。
ただ一方で帰国子女や名門大学出身者以外の方は前職等の経験がないため就職活動でアピールできることが少なく、希望する企業に就職することが難しいという現状もあります。こうした事実があるため、大学院留学を実現させ、いわゆる“どんぐり"の中から頭1つでも飛び出してから就職活動を行いたいと思う方が増えています。
また大学院留学をすると新卒での就職活動を行うことが絶対できないと思っている方も多いのですが、それは間違いです。皆さんもご存知かと思いますが、大学を卒業した年に海外大学院留学を実現させれば進学となり、大学院卒業後新卒枠での就職活動を行うチャンスは十分あります。
大学説留学前はこれほど気にかけていた新卒枠での就職活動ですが、実は留学後はそれほど新卒枠にこだわらなくなる方も多いようです。なぜ大学焼留学をすると新卒枠での就職活動にこだわらなくなるのでしょうか?
理由は2つで、lつ目は即戦力としてアピールできるスキル、知識、そして経験を持っているためです。もう“どんぐり"になる必要はないというわけです。
2つ自の理由は、将来のキャリアが明確になるため就職活動を行う業界が限られるためです。新卒で就職活動をされている方の中には、「銀行や証券も受けたし、常子通信やアパレル、教育サーピス、商社やフード産業も受けました」という方が数多くいらっしゃいますが、将来どういった分野でキャリアを構築していきたいか、ということが決められていなかったのだと思います。そのため業界を狭めることができませんから、どうしても社名や規模、イメージで決めてしまい、大企業のみを受けるということになります。
しかし海外大学院卒業後は少し変化があるようです。通常真剣に1つの分野をl 年~2年海外で学んでくると、将来自分がどのような分野で活躍していきたいのか、ということが見えてくるものです。そうなると鵠雲に面接を繰り返すわけではなく、自分が将来活躍したい分野に絞って就職活動ができます。そうなると海外で培ってきた知識や経験、スキルがありますから、新卒にこだわる必要がなく、新卒、中途関わらず迷うことなく就職活動に謹進できる訳です。以上のように海外大学院卒業後は将来のキャリアを思い描きながら就職活動を行うことが可能になります。これが新卒生が大学院留学を実現させる意義なのではないかと思います。
海外大学院の新卒生の受け入れ態勢について
以上で新卒生の大学院留学をするリスクと意義について解説してきました。これで新卒の大学院留学の意義も少しはご理解頂けたかと患いますが、来たして海外の大学院の新卒さたの受け入れ体制はどうなのでしょうか?
海外大学院には新卒生や職歴が浅い方(職歴2年以内)用のコースが帯在する
意外と知られていないことですが、海外の大学拐には新卒の学生用(通常戦腫2年以内の新社会人も含む)のコースが開議されています。例えばビジネスの学位でMBA(Master
of Business Administration :経営学修士号)が有名ですが、イギリスだとフルタイムの職歴(大学卒業後)が通常3年以上必要になります。ただMBAとほぼ同じ内容を学ぶこと学ぶことができ、対象を新卒生(フルタイムの職歴が2年以内に絞ったコースが開講されています。通常MScManagement、MAInternational
Management等という名前で開講されていますが、こういったコースであれば対象とする学生が限定されていますので新卒の学生が入学しても効率よく学ぶことができます。
大学時代の専攻を変更するためのコースが存在する
日本の大学院ではほとんど考えられない制度として、大学の専攻と違う専攻を大学院で選びたい方のために準備コースを設けている学校もあります。オーストラリア、イギリスで開講されているPostgraduate
Diploma、Postgraduate Certificateと呼ばれるような学位は大学の専攻と大学院の専攻が異なる場合その架け橋となってくれる学位です。例えば大学で経済学を学んでこなかった学生が開発経済学を学びたい場合、Postgraduate Diploma
in Economicsがその架け橋になってくれます。
以上のように日本では非常に難しい大学の専攻と巽なった専攻に進学する道が海外の大学院にはあるのです。そのため大学の専攻を変えたいと考えている学生にとっては海外の大学院は非常に意義のあるものになると患います。