間違い@:大学院留学準備のファーストステップは留学先(国)を決めること
皆さんがご存じの大学院留学に関する基礎知識には実は多くの間違いが存在します。例えば「大学院留学には必ずTOEFLでハイスコアを取得しなければならない」、「大学の評定平均(GPA)が3.0を超えていなければならない」といった間違いが数多く周知の事実として世の中に溢れています。
留学先を最初に絞ることは可能性を制限すること
皆さんの中にはこういった経験をされている方も多いのではないでしょうか?大学院留学に関して留学エージェントや留学経験者等に相談をすると、返ってきた回答が、「まずは留学先(闇)を決める必要がありますね」。
実際、留学カウンセラーと呼ばれている仕事をしている方でこういった回答をされる方が多いのには本当に鷲きます。なぜかというと、大学院を思い立った段階で留学先(国)を絞るということは皆さんの留学の可能性を半分以下に制限することに他ならないからです。
その理由は簡単で、大学院の難易度や開講コース、費問、卒業までの期間等は全て、国によって異なるためです。例えはイギリスでは大学院のコースはほぼ全てl年で終了しますので、その分キャリアには影響しませんし、費用も1年で終了するので経済的になります。またアメリカの大学践のコースは2年間かかることに加え、難易度の高いGRE/GMATというイギリスではほとんど使われないテストのスコアを要求します。ただそうかといってアメリカよりイギリスの方が難易度は低いということではありません。
倒えばイギリスのMBAコースはほぼ例外なくフルタイムでの可能股(大学卒業後の職歴)を3年以上要求しますが、アメリカのMBAコースはトップピジネススクールで開講されているMBAコースでもフルタイムの職歴を要求しないことも多いのが現状です。また全体的に言えることですが、イギリスを含めたヨーロッパ留の大学院より北米の大学院の方がTOEFL、IELTS等の英語の要求スコアは低い設定になっています。
以上のように北米とヨーロッパの大学院を簡単に比べても、難易度は各コースによって大きく異なることが少なくありません。そのためアメリカの大学院だと入学が難しいが、イギリスの大学院だと入学が可能、ということもコースによっては起こる訳です。もちろんその逆もあります。
アメリカ | イギリス | オーストラリア | |
TOEFL iBT | 80-90 | 90-100 | 90-100 |
IELTS | 6.5-7.0 | 6.5-7.5 | 6.5-7.5 |
GRE/GMAT | 必須 (一部例外あり) |
不必要 (一部例外あり) |
不必要 (一部例外あり) |
出願締切り | 入学の約10カ月前 | なし(一部例外あり) | 入学の約3か月前 |
国をまたぎ出願すれば名門校に入学できる可能性が広がる
以上で国をまたいで準備することの重要性はお分かり頂けたと患いますが、特に海外大学院の中でもトップスクールを目指している方、各種ワールドランキングで上位に位置する大学院入学希望の方は国をまたいで準備する必要があると思います。
最近ではWorld University Ranking (Times Higher Education)や、Academic Ranking
of World Universities等のワールドランキングが有名です。その中でも上位トップ100校を挙げた時に、日本の大学でランクされているのは東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学等ですが、そういった学校と同等、またはより上位にランクされている学校に入学したいと思った場合、入学難易度や出願条件等の理由からアメリカの大学院では難しいがイギリスの大学読なら可能性がある、またはその逆、といったことが往々にして起こります。
大学院留学する方にとって入学する大学院が最終学歴になることはいうまでもありません。現在日本の有名大学に行かれている方、また卒業された方にとっても自分の最終学歴を変えることになります。そうでなくても多大な費用、労力、そしてリスクを背負って留学するわけですから、入学する大学院は絶対に有名なほどいいと思うのは当然ではないでしょうか?現在では学歴を軽視する風潮も否めませんが、学歴はあって邪魔になるものではありませんし、仕事における自信にも大きな貢献をしてくれると患います。
それでも留学先(国・都市等)を限定したい方へ
さて、国をまたぎ、皆さんが持っている全ての選択肢を見て決めてほしい、ということをこれまでお伝えしてきましたが、それでもロケーションにこだわり、特定の国や都市、地域の中で学校リサーチをする方もいらっしゃるでしょう。
もちろん憧れた都市で勉強したい、旅行で訪れたあの場所に今度は留学してみたい、と思うのは当然だ、と思います。ただその場合は下記2点に気をつけて学校リサーチを行って頂ければと思います。
将来後悔しないよう念のため全ての選択肢を見ておく
結果特定の国や都市の学校に出願するとしても、念のため他の選択肢も一応、見ておくことが重要です。
なぜ、それほど希望もしない留学先の大学院を見ておくことが重要なのかというと、大学院留学は語学留学やワーキングホリデイと異なり楽しいことばかりではありません。勉強や人間関係等で留学生活から逃げたくなったり、自己嫌悪に陥ることも少なくないでしょう。
そんな時どう思うかというと、「場所にこだわり過ぎたけどもっと最適な選択肢があったんじゃないか」と後悔の念を抱くことになります。そんな時、全ての選択肢を見て決めたんだ、からこの進学校以上に最適な学校はない、だからここで議張るしかないと思えたら皆さんの大学院留学はきっと成功することでしょう。
先入観や特定のアドバイス等で進学先を決めない
私は現在海外大学院留学専門の留学コンサルタントの仕事を行っていますが、このような仕事をしているとよく、「お薦めの学校を教えてください」、「この学校はどうですか?」、「〜
で強い学校を教えてください」といった質問を頂きます。
しかし、詳しい希望も聞かずにお薦めの学校を答えることは非常に無責任だと感じています。私にとってお薦めでも皆さんにとっては薦めてもらいたくない学校かもしれません。というのも大学院留学希望者が10人いれば10通りの希望があるからです。本当にあなたのことを考えてくれる方であれば相談した際に「詳しく希望を開いてみないと無責任にお薦めの学校なんて答えられないよ」と言ってくれるはずです。